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ニューヨーカー未満のNYスケッチブック

 写真家ねおゆうきのライフログ。NYの街、子育て、日々のこと。

アメリカの特別支援教育について

 

ニューヨークも暑い日々が続いています。

6月末から始まった2ヶ月間の夏休み、早くも半分が終わってしまいました。

2ヶ月もあるから十分長いはずなのに、毎年あーっという間に過ぎ去ってしまう夏。

今年もきっとそんな夏になりそうです。

さて、写真はうちの子供たちが通った中学校の校内。なんとも明るく元気な色彩でしょ?

上の娘が3年、続いて息子が3年、足掛け6年お世話になった学校です。

先月、息子が卒業証書をいただきました。色々ありましたが、無事卒業できて良かったです。

私も何かと足を運んだ学校ですし、ニューヨークに来てすぐに、子供の入学手続きのために親子そろって初めて訪れた学校でもあり、そのときの緊張感とか6年間の色々な出来事が蘇って、もうここに来ることもないかと思うと、ちょっぴり寂しいです...。

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毎年、学年末にはYear Bookと呼ばれるアルバムをもらいます。

その中に我が子の姿を探すのがいつも楽しみなのですが、たくさん写っていればいるほど嬉しいもの。息子は、サッカー、陸上、ボーリングの部活に参加したので(アメリカの運動部はシーズン制で、シーズンごとに参加する部活を選ぶ仕組み)、それぞれの部の集合写真に部員として写っていました。

運動神経が良いほうではないのに、年間通じて運動部でよく頑張ったもんだ。

卒業記念になる今年のアルバムには、友達や先生からたくさんメッセージを書いてもらっていました。

子供達の間では、Have a great summer!! を略して、HAGS!! と書くのがお決まり。

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卒業を前にお世話になった先生方にご挨拶に行くと、「人が変わったように」との形容詞付きで、彼がよくしゃべるようになったとどの先生もがおっしゃる。親の目には依然社会性に問題ありで、そう言われても俄には信じられないのですが、場面緘黙症児、安心できるところではちゃんと話ができるのが特徴。この学校が、彼にとって次第に居心地のいいところに変わっていったんだなと実感しました。

人とのコミュニケーションが苦手なのに、イジメにも合わず、不登校にもならなかったことが本当に救い。手厚い特別支援を受け、暖かい環境の中で過ごすことができたことに感謝するばかりです。

アメリカの特別支援教育は日本の10年先を行っていると言われます。2001年に、ブッシュ政権によりNo Child Left Behind Actという法令(落ちこぼれや置き去りにされる子供を作らないための法令)が布かれたことによって、ディスアドバンテージのある子供たちへの徹底した支援システムが確立されてきました。 その特徴を表す3つのキーワードが、Accountability, Flexibility, Choice.  個々の生徒への支援に責任を持つチームが組まれ(Accountability)、個々のニーズに合わせて学習体制やテストの受け方などに柔軟性(Flexibility)や選択肢(Choice)を持たせるというもの。

うちは学童期のほとんどをアメリカで過ごしているので、実体験として日本との比較はしにくいのですが、確かにアメリカの特別支援教育の充実度には感動し、その支援を受けられただけでもアメリカに来た甲斐があったと思えるほど。

年に1度、各生徒に対して事細かな目標設定とそれを達成するための戦略が立てられ、10ページ以上に及ぶ計画書が作られるのですが、その達成度が測定可能なように目標設定が数値化されているところなど、マーケティングの仕事をしていた頃に担当した米系企業の、まるでビジネスプランのようだ、と思いました。

細かいことを説明し始めたらきりがないのですが、1生徒をサポートするスタッフの数という側面だけとっても、アメリカの特別支援がいかに充実したものかを裏付けている気がします。

この学校で息子のことを支援してくれたスタッフといえば、

・ガイダンスカウンセラー(学校生活全般に関するカウンセラー)

・各科目のメインの教師

・特別支援教育の専門教師

・スクールサイコロジスト(児童心理学専門の先生)

・ソーシャルワーカー

・スピーチセラピスト

このメンバーによるチームミーティングが週1の頻度で実施されていて、毎週同じ時間にミーティングの時間が設けられているので、親もその時間にアポを取って行けば、チームの先生方に会えるという仕組み。そこで状況のアップデートや支援プランの調整が行われるのです。

場面緘黙症は、言語の遅れのある子供、バイリンガルの環境にいる子供に発症しやすいらしく、もともと繊細くんの上に、これらのダブルパンチを受けてしまった息子ですが、最初は少人数(ときにマンツーマン)の環境で、少しずつ、ゆっくりと、クラスの中でしゃべる自信を付けていくことから始め、Co-teachingのクラス(メインの教師がいて、アシスタントの教師がフォローするクラス)から、通常クラスへと、段階的に移っていきました。

アメリカは公的教育が高校まで受けられるので、中高一貫校のごとく、9月から同じ学区内の高校に上がるのですが、高校での支援計画書がすでにできていて、中学校のスタッフから引き継ぎも十分になされるので安心。公立校で、ざっとこの充実度。言葉のハードルがあるとはいえ、こんなに恵まれた環境で学童期を過ごせるていることは本当に幸運だと思います。

アメリカの特別支援教育については、たくさん語りたいことがありますが、また追い追い別の機会にするとして、、、

先日、ある記事が目に留まり、気になりました。2ヶ月前の記事です...。

www.asahi.com

不登校児が通うフリースクールや家庭などでの学びを義務教育の制度内に位置づけよう、という法案がまとめられたという話。

不登校の小・中学生って、12万人もいるらしいですね。その数が年々増えているという。

不登校になる理由、色々だし、不登校児の支援、もちろん大事だけど。

でも本当は、それ以前の対策がもっともっと整えられて、不登校という問題そのものが生まれないように、誰にとっても学校そのものが居心地のいいところになればいいのに、と思ってしまうのでした。

 

 

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