ニューヨーカー未満のNYスケッチブック

 写真家ねおゆうきのライフログ。NYの街、子育て、日々のこと。

娘の巣立ち・子離れの術

久しぶりに戻ってきました。
色々あって、暫しこのブログから遠ざかっていましたが...。

色々の中には、娘の大学受験もありまして。大学受験が一大事なのは、この国、アメリカでも同じ。もちろん本人が一番大変なんだけど、娘は日米両方の大学を選択肢に入れていたので、私にとっては殆ど様子のわからないアメリカの大学受験というものを母親の立場で経験したわけです。進学先を、最終的にワシントンDCの某大学に決めた娘を夏の終わりに送り出し、やっと落ち着いてきたところ。

子育てって、何年やっていても常に未知との遭遇。18歳になる娘がいるとベテランママのように言われることもあるけれど、ひたすら手探りと試行錯誤の連続で今に至り。

今回の受験に関しても、ワケのわからないまま何とか通過しましたが、日米の教育システムの違いや娘の将来のことなど、様々なことを考えたり学んだりした1年でした。受験ネタは、ここに書き出したらきっと止まらなくなるらい色々あるけれど、今日はそっちの話ではなく、子供の巣立ちを初めて経験した私が何より我ながら驚いた、子供を送り出すときの母親の心模様について、語ってみようと思いまする。

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先日、娘の幼稚園時代から親しくさせていただいているママ友で、現在ボストン在住のY子さんとNYで再会しました。お互いに娘を大学に送り出したところで、子育ても一区切り。まだお互いにもう一人下に控えているけれど、とりあえず18年間がんばった私たちにご褒美!ということで、バカラホテルのGrand Salonでランチしました。キラキラと眩い非日常的な空間で、語り合ったあっという間の3時間。

その時、Y子さんにも話したのですが、実は私、娘がDCに引っ越す数週間前から、彼女の巣立ちを嬉しく思う反面、「もう一つ屋根の下で暮らすこともなくなるかも」と思うとひどくエモーショナルになっていて、あんなに「早く育て、楽になれ」と願っていたのに、いざその時が近づくと、ご飯を作りながら泣いているという、あまりに想定外の自分に驚く日々を過ごしていたのです。そんなこと話をしたら、Y子さんも同じような心境でいたことを知り、ちょっとホッとしたのでした。

同じ状況のアメリカ人のママ友も、夏休み中に買い物先でたまたま会った時、開口一番、"My first baby is leaving soon!  I'm almost crying..." と言ってましたから、どうやら子供を送り出す母親は、皆そんな風になるのかも。

先はまだ長いと思っていた子育ての道のりが、実はそうじゃないと認識したのは昨春、娘がアメリカの大学に進学すると決めた時。娘と一緒に過ごせるのもあと4ヶ月しかないと知ると、寂しさの前にまず焦りが到来。下の息子と違って彼女は本当に手の掛からない子だったから、正直、放っておいてもしっかり賢く育ってくれた。それを良いことに、私の子育てはちょっと雑すぎたのではないか?料理も家事もちっとも教えてないのに、このまま巣立って大丈夫なのか?あんなこともこんなことも娘にしてあげたいと思いつつ、自分のやりたいことを優先してきた自己中な私は一体、娘の目にどんな母親として映っているんだろう、と。

そして、娘が巣立つ前の夏休み、母親として足りてない部分を挽回すべく、娘との時間をいっぱい作る気満々だった私に対して、娘の態度は冷たかった。なぜなら、彼女がこの夏、一緒に過ごしたい相手は私ではなく、これから遠距離になってしまう彼氏だったから。母親として常に頼られる存在だったはずの私は、もはや彼女の視界の中にはなく、この春先に突如と現れた彼に、あっさりとポジションを奪われ、母は動揺した。

冷静に考えれば、18年間の子育てのうちの最後の数ヶ月だけ付け焼き刃的に何かをやったところで、料理くらいは少しは覚えるかもしれなけど、染み付いた生活習慣とか母親像が変わるわけがない。それなのに娘との貴重な時間を横取りされたような気になって、彼氏に嫉妬している母親の方がワケわからない人だわよね。

というワケで、理想の母を目指した私の子育て最後の夏の追い込みは、見事に計画倒れ。夢想のままに終わりを迎ました...。

でも、Y子さんにも言われました。不完全でいいのだと。完璧な親なんてNo thank youだと自分が子供の立場に立ってみればわかる。

これまでいつもそばにいて、子供のことを100%理解して、守ったり助けたりするのが母としての務めと頑張ってきたけれど、もうこれからは、子供を追わないこと。100%知らなくていいし、知ろうとしないこと。応援はするけど、口は出さない。必要とされる時以外は黙っていましょう。子離れのお約束ごと。

そうはわかっているけれど、意外にこの切り替え、難しいではないか!どうも世話を焼かなきゃ気がすまないモードが起動し始める。自分は絶対あっさりと子離れできると思っていたのに、一体どうしたというのだ?友達にも「ずいぶん寂しいんだね」と笑われる始末。

でも、ふと、こう思ったのです。子供は自分の体を通って出てきてるけど、本当は自分のものではなく、天(だか神だかわからないけど)からの授かりものじゃないかと。愛して一生懸命育てて、そしてより良い未来のために、いつか世界に返すもの。

そう思ったら、ちょっと納得できて、元気に子離れできそうです。「すみません、宿題、完璧に出来なかったけど提出します。でも一生懸命やりました!」という気分でね。そして、育てたままに巣立っていく娘でいいじゃない!と思いました。その後ろ姿に、私印がついてることを誇りに思おうよ、って。

  

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